本部合宿

2007年 2月26日(月)〜3月2日(金)の連盟本部合宿の日記です。


一回生 鈴木 恭平

 少林寺拳法を始めて、初めて本部合宿というものを経験しました。行くまでバスで一本だったのが嬉しかったです。
二日目に昇級試験が控えていたのですが、そんなん落ちないだろうと高をくくっておりました。けれど周りが読本を
真剣に読んでいたのでつられて自分もバスの中から目をとおしておりました。一日目はずっと読本を読んでいたぐらい
しか記憶にありません。
 二日目は朝早くに読経がありました。最初はずっと正座していたのですが、足が限界にきており早く終われと心の中で
思っておりました。二日目は昇級試験です。学科のほうはまあいいとして、技能試験は正直満足のいくものではありません
でした。周りの他大学の連中のほうがよっぽど上手いのではないか、自分はなんて下手なんだろう、教えていただいたことを
てんで活かせておりませんでした。その日は反省するばかりでした。同時にもっと上手くなりたい、練習しなくては、
という気持ちにもかられました。
 三日目から階級別に別れて、本部合宿の練習が本格的に始まったような気がします。まず教えられたのが結手、着座、
安座、礼など技以前の基本的なものを永遠と繰り返しました。そんなんどうでもいいだろ、とふっと思いましたが、これも
武道の嗜みの1つであり、きっと意味のあるものだと思い、素直に先生のいわれたことに耳を傾けておりました。それから
構え、レの字立ち、運歩法を教わりました。結構基本的なことばかりやっていたのですが、先輩に教わったことを再確認したり、
新たに発見があったりと、良い収穫になりました。やはり、高いお金を払っている以上、何も得られず帰るのでは意味がない、
休憩中に先生とそんな会話をして眠たい目をこすりながら、もっとがんばろうという気持ちになりました。三日目は基本の動作、
三級技を主にやったと思います。
 四日目も同様に資格別に別れて練習したのですが、やっていた技は基本的なものが多かったのですが、同じわざでも大学に
よってやり方がぜんぜん違って、「ああ、そんな風にやるんですか、うちの大学はねえ・・・」みたいな感じで会話もはずみ、
男女問わず、様々な大学の人と交流できたことがよかったです。あとその日は最後に本部の指導員の方の演武発表がありました。
すごかったです。あんな演武ができたらいいです。その日は感動でした。
 最終日は朝から体調がすぐれませんでした。同回生に体調を崩してるやつがいたのでうつったのかも知れません。寒気が
してだるかったです。でも今日で終わりなのでなんとかがんばりました。帰りのバスでは死んでました。合宿からかえったあとも
何日か寝こんでました。体調にはきをつけたほうがいいです。
 この合宿をつうじて、嬉しかったこと、楽しかったこと、辛かったこと、凹んだこと、たくさんありました。でも得るものは
ありました。この経験を今後の生活に活かしていきたいです。


一回生 辰巳 航

 憧れの本部合宿に行ってまいりました。先輩方から事前に、本部合宿が"とにかく素晴らしい"とお聞きしていたので、かなり
モチベーションをあげて臨むことが出来ました!実際のところ素晴らしいと感じた事で、他大学の拳士との交流や諸先生方の技術が
ありますが、それは書くまでも無く明白なので敢えて触れません。僕が個人的に感動を覚えたのは、本部の先生の指導方法と
個々人の少林寺拳法への愛でした。

1、指導方法
 上受けの御指導はこのような言葉でした。天上を押し上げるように、と。この言葉を聴いた瞬間、僕の脳内でこの言葉が
結ぼれました。邂逅!ある行為に的確に該当する言葉、表現!これを素晴らしいと言わずして何と云いましょう。例えば
「そういうやり方じゃない、こうだ!」と実演していただいたとします。間違いを指摘したり、ある程度正しい形を実演したり
するのは、自身が正しい形を知っていれば、まま可能なのでしょうけれども、正しいやり方を"言葉"で表現するのは至難の
わざだと思います。ですが、この感動、"理"で解するという快感!これを知ってしまった以上、僕はもう虜です。
自身が少林寺拳法の理法に"納得"するために、このような「的確な言葉の表現による理解」を基として身体での理解へ、
実演へと繋げていきたいと強く思いました。表現のイメージによる意識、それによる上達は在ると思いますし、やはり自身に
疑念があっては、技自体にも疑念が現れてしまうでしょうから。言葉による表現→イメージ作り→意識→練習 を徹底していきたいです。
 そして、この自身の"納得"が誰かに教えるときにも役立つのではないかとも思います。「技術は独占するのではなく、
互いの成長のために!」と尊敬する開祖の教えを忠実に実行していきたいと思います。

2、少林寺拳法への愛
 今合宿では自分の不摂生から体調を崩してしまい、あまり練習に参加できず、先輩や同回生に迷惑をかけてしまいました。
本当に申し訳なく思います。ただ、布団に横になっている間も少なくとも思考は可能なわけで、少林寺拳法について考えて
いました。そうなると、動きたくて、動きたくて体がウズウズしていました。そして、体調も回復しつつあるから何とか
練習できる!となって再び道場へ。そのとき僕が見た周りの拳士の目の輝きようといったら、もう!
 これだけの人数がココに集まり、目を輝かせて少林寺拳法をやっている。これって、極々控えめに言って"素晴らしい"の
ではないか、と思いました。これはもう偏に個々人の開祖への尊敬の念と少林寺拳法への愛だと。

 最後に、毎朝の読経も個人的には素晴らしいものの一つとして是非とも挙げたいのですが、体調を崩したので書けなく
なってしまいました。残念です。ですが、「"納得"はすべてに優先し、"尊敬"は繁栄をもたらす」を実感した本部合宿で
した。とにかく感謝の気持ちが溢れます!


一回生 玉井 沙織

 初めての本部合宿は、私にとって刺激的なものでした。今までと違い、全国から来た大学の少林寺拳法部の
人達と交流することができました。普段は女性と組むことがないので、本部合宿中は、ずっと女性とばかり
組んでいました。そして他の大学にも、私と同じように、同回生に女性が自分一人だという人や、全学年で
部員が四人の大学の人など、様々な話を聞き、みんなそれぞれ頑張っていることが分かり、自分だけでは
ないことに気付かされ、刺激を受けることができました。
 普段は男性の先生に教えて頂きますが、本部合宿では、女性の先生にも教えて頂き、新鮮に感じました。
こうすれば、女性は技がかけやすいなど、女性の立場にたって教えてくださったので、大変嬉しく感じました。
ここでもまた、普段と違う刺激を受けることができました。
 少林寺拳法部は、いつも深い人間関係ですが、合宿中はいつも以上に深いなと思いました。同じ部屋で先輩と
寝るなんて、緊張・・と思いましたが、寝つきはわりと良かったです。本部合宿では、他大学の人達だけでなく、
先輩ともいつもより交流することができたので良かったです。普段は聞けない話や本音を聞くことができ、
少林寺拳法部について見つめなおすいい機会になりました。本部合宿で受けた刺激をこれからに活かし、
これからも少林寺拳法部を続けて頑張っていこうと、バスを降りて家路に着いて思いました。


一回生 辻村 吉隆

激動の2006年度を迎え、同志社大学体育会少林寺拳法部は二月二十六日から三月二日にかけて
本部合宿行いました。新田辺から善通寺まで約四時間のバス移動は快適そのもので、道中では同回生の
准拳士(当時)Aがいつもの口調で本部合宿について語っておりましたが、一方の自分は少林寺拳法を
始めはや13年という月日が流れたのにもかかわらず、本部に帰山するのは始めてのことで非常に
楽しみでした。
 今回は合宿において「中拳士参段合格」及び「技術向上」、そして「他大学との交流」の三つの
目標を自分なりにたててみました。さて、初日の夕方近くに宿舎「いろは会館」に到着し、入浴、
夕食と済ませた後、部屋のあちこちで試験に向けての熱い特訓が繰り広げられていました。
 本部合宿初日が始まり、先生方の技術指導が始まりましたが、自分を含めた周りの人々の空気が
「昇級・昇段試験」というものでいっぱいになっているのが分かりました。昼食後の学科試験で点数に
手応えを感じて気持ちにいくらかの余裕ができたのか否か、以前から不得意であった「横転より起上り」
のコツを少しつかみ、他大学の主将さんから「できてるね」というお褒めの言葉を頂戴しました。
喜びのあまり小躍りしたい気分でした。初日の午後六時から昇級・昇段試験開始です。試験監督の先生は
「気楽にね」と笑顔でおっしゃられたのですが、とてもそんな気分ではありませんでした。自分は試験中
にどれくらいの汗をかいたのか分からないくらい汗をかき緊張しておりましたが、ふと周囲に目をやると
先輩方のお顔もいつになくひきつっていらっしゃいました。われも人、先輩もまた人なり、ですね。
試験の総合的な手応えとしては「可もなく不可もなし」でしたが、現状の自分に甘んじることなく
さらなる技術の向上を目指そうという気分にさせてくれる試験でした。
 合宿日程二日目、三日目、四日目は資格別の技術指導でした。先に申し上げた三つの目標のうちの
二つを胸にかかえて臨んだ三日間だったと思います。この三日間の技術指導では周りの拳士の方々は
ほとんど先輩ばかりでしたが、ひとりだけ一回生で弐段の拳士がいたではありませんか!
しかも女性拳士です。やったぁ!・・・いかん、いかん。彼女は少林寺拳法に対して自分と同じくらい
かなり熱いものを持っており、「自分以外みんなライバルです!」という彼女の自信に満ちた一言は
いまでも頭の片隅に残っています。また新しい出会いだけでなく喜ばしい再会もありました。
 大阪産業大学の池田さん、高見さん、竹村さん、椎葉君らとの再会、京都産業大学の櫻井君、
辻君との再会です。とりわけ大阪産業大学の方々とはお好み焼き屋「よこた」にて共にはしゃいだ仲で
ありまして、そのことは後で述べることにします。ここまで述べただけでは、「なんだよコイツ、
本部に来て遊んでただけじゃねえかよ」という声が聞こえてきそうなので、そろそろ合宿において得た
少林寺拳法の技術についても自分なりに述べようと思います。少林寺拳法の技術とは、ずばり「相対的」
なものであると思いました。「このやり方が一番正しい」あるいは「この技はこうでないといけない」と
おっしゃられた先生は誰ひとりとしておられなかったのです。これはひどく当たり前のようですが、
自分を含めて多くの拳士が日々の練習から培ってきた技術をフィルターにかけて他の拳士の技術を各々の
目に映し出してしまいます。無論そのこと事態には問題はないと思いますが、自分が危惧することとは
自分の技術と異質な技術に対してそれを吟味せず排除し、自分以外の他者を認めないという姿勢へと
知らず知らずに陥ってしまうことなのです。同志相親しみ、相助け、相譲り・・・です。すみません、
なかなか考えがまとまりきれませんでした。
 とにかく「技術」という生き物のようなものに触れていくには、その技術を多角的にとらえることの
できる「相対的」なものの見方が要求され、その見方を養っていくには、養えるだけの「人づくり」が
おのずと必要となってくるのです。私たち拳士は少林寺拳法「を」学ぶだけでなく、少林寺拳法「で」
学ばないといけないと思いました。
 真面目な話ばかりではつまらないので、少し雑談気分で申し上げます。まず、毎朝六時からの読経は
正直キツかったです。自分は毎回の読経で睡魔に負けてしまい、ついウトウトしてしまい、挙句の果てには
いびきを少しかいて主将から肘打ちをあびせられる始末でした。また「よこた」での懇親会はまさに
地獄絵図でした。懇親会という名の修羅場で、1分に1コールのペースで、飲むわ、脱ぐわ、吐くわの
大騒ぎでした。北海道の酒豪拳士に関西の拳士はタジタジでしたが、池田さんと椎葉君の奮闘ぶりはまさに
天晴れでした。また来年も「よこた」に行きたいですね。そして宿舎において同回生Aのおびえる姿も
最高でした。その理由を書くとまた怒られそうなのでこの辺でやめときます。
 さあ、まとめに入ろうと思います。今回の合宿で正直なところ自分なりに満足はしていないのです。
「もっと技術を学べたのではないか」、「もっと多くの人と知り合えることができたのではないか」と
自問自答さえすることもあります。しかし、合宿というのはその日程が終了すれば終わりというわけでは
ないということを、ふと考えました。合宿のおかげでどこか変わった自分、成長した自分が必ずいると
思います。その自分は合宿が終わってからではないと出会うことができません。そんな自分に出会える
のも出会えないのもこれからの自分次第です。己こそ己のよるべ!本部合宿という貴重なものを腐らせて
しまうのも、本部合宿という面倒で出費のかさむものをかけがえのない宝物にするのも、すべては己次第!
「ならばできるだけすばらしいものに出会える己になろう!」こう宣言して今回の本部日記を終わりに
したいと思います。稚拙な文体でしたが最後まで読んでくださってありがとうございました。
心より感謝の意を表したいと思います。


一回生 舟越 康二

本部合宿に参加させていただきました。この合宿では、この合宿でしか出来ない様々な事を経験し、
体感できました。まず、初めて本部を見たときの心境は何とも筆舌に尽くしがたいものでした。
まるで別の国に来たかのような感覚に陥り、また本部の中で見慣れない建物や礼儀正しく明るい
拳士たちを見るにつけこの場所こそが少林寺拳法のルーツなんだと感じてなにやら厳かな気持ちに
なったのを鮮明に記憶しています。
 そして、何と言っても資格別に分かれての講義・練習はとにかく有意義なものでした。
他大学の監督の方や本部職員の方の基本や運歩等の指導は、本当に基本的なものでしたがそれ故に
基本の大事さを心に刻み込むことができました。また、柔法・剛法に関してもとても丁寧且つ
的確なご指導をいただき、非常に参考になりました。特に、片胸落・送小手に関しては本部職員
の方に聞きまくり本当の意味で修得できるようにと躍起になりました。これをきっかけとして
より修練を重ねていきたいです。そして、最も心に残ったのが他大学の方との交流でした。
 昼間の資格別講義を通してはお互いの大学の技のかけ方の違いなどについて話したり、お互い
の大学の練習についてなど色々な話をすることが出来ました。そして、先輩に連れて行って頂いた
「よこた」では、飲み会での新境地を垣間見ました。「よこた」は、他大学の先輩ともお話しを
することが出来る非常に貴重な機会であり、他大学の同回生とも親睦を深めることの出来る
素晴らしい場所でした。可能であれば、来年、再来年と是非参加させて頂きたいと心から思います。
 総括として、本部合宿は自分を成長させてくれた素晴らしい合宿でした。あの時、本部で感じた
想いを心に秘めてこれからも精進していきたいと思います。