本部合宿

2008年 3月10日(月)〜3月14日(金)の連盟本部合宿の日記です。


統制 柄川 麻里

 昨年、私の拳法人生を狂わせた膝の負傷により合宿欠席を余儀なくされ、以来、再来を夢見て胸を焦がし続けた仁王門。二年の月日を経て私は再び香川県多度津町に降り立った。
 本部合宿。その響きに私は一回生時の体験から「とてもわくわくする楽しいもの」「拳法の楽しさを教えてくれるもの」というイメージを抱き続けていた。そして私は、今まで自分が三年間続けてきた少林寺拳法に色々な意味での答えを求めて今回の合宿に臨んでいた。
 しかし、正直なところ今回私はその求めてきたものを得られたようにはあまり思わなかった。それは段階別技術修練の時間に特に強く感じられた。
 私は初段の部、つまり一つ下の学年の来年度幹部になる拳士たちと交じって技術指導を受けていた。それ故ほぼ全ての日程が新入生の指導を任される彼らの基礎的技術を固める言わば総復習のようなものを主な内容として構成されていた。これは昨年の同輩の本部日記にも記されていたことではあったけれど。

 今更そんな当たり前のことを習っても…などと驕ったことを言える程私は自分の技量に慢心はしていない。むしろ長く修練を重ねた拳士こそ、初心を忘れず常に基本に立ち返るものなのだから。しかし私はせっかく合宿という多くの時間を遣ってこの地にやって来たからには何か本部でしか得られないもの、本部ならではの驚きや閃きを見つけ出したかった。尤も、自分から先生や研修生の方々に教えを請うことをもっともっと積極的に行っていればその分得られるものもあったのだろうという後悔もある。

 そんな若干の期待外れ感を抱いていた中、違う意味、良い意味で期待が外れた体験があった。それは少林寺拳法を通じてこの三年間知らず知らずのうちに、入学当初には考えもしなかった程たくさんの人とのつながりを自分が築いてきたのだという確かな実感だった。二年前は周りは同志社の同輩以外知らない人ばかり。でも少林寺拳法という同じ修練を共通項にみんな一瞬で通じ合うことができた。今回は全員がその時出会った人ではないけれど、いつもどこかに見知った顔の仲間が居た。廊下で、食堂で、錬成道場で。会えばいつも声を掛けてくれた。私が一人ぽつんと昇段試験を受けている時「頑張れ!」と励ましてくれたあの一言がどれだけ心強かっただろう。また、先程少々不満を漏らした技術修練の時間にも実は素晴らしい出会いがあった。たまたま技を教えてあげた女の子が有難いことにとても喜んでくれたらしく、後からも、次の日もその次の日も「もっと教えてください先輩!」と言って最高にキラキラした笑顔で駆け寄って来てくれた。彼女たちより多く重ねた一年という時間が私にとって無駄ではなかったのは嬉しい限りだった。たった五日間で他大学にもこんなに可愛い後輩が出来るなんて、「先輩」と慕って貰えるなんて思ってもみなかった。彼女とは最終日、それぞれの允可状を手に「どこかでまた必ず会おうね」と約束と抱擁を交わした。いつか再会した時に、あの時の約束に恥ずかしくない私でいたいと思った。
 私は今回の本部合宿で求めていたものは得られなかったけれど、そんなものはたかだか三年足らずしか少林寺拳法の世界に浸かっていない小娘には到底手にすることのできないものだということも知った。だからこそ本部の先生方はあんなにも熱心に「卒業後もぜひ続けてくださいね」と訴えておられたのだと思う。

 五日間で私の中に確かに残ったもの、それは「人、人、人、すべては人の質にある」。この想いに尽きる。この三年間で出会ったすべての人とのつながりは生涯の宝としていつまでも大切にしたい。後輩にも、これからもたくさんの人と出会ってそう感じてほしいと思った。これから幹部になるにあたってこれまで以上に幹部同士と、後輩と、もっとたくさんの人たちと深く関わることでみんなもっと成長してゆくだろうから。

 そしてこれは私信だけど→細江へ。もし次本部に行く機会があったなら…また二人で開祖に会いに行こう。


 最後に。ようやく念願の二段に昇段することができました。同輩からの遅れに悩むこともあったけれど、時間がかかった分自信を持って試験に臨むことができた点で私にとってはこの方がよかったと今では思えます。欲を言うならやはり二回生の初段拳士たちと一緒に昇段したかった。支えてくれた同輩、後輩、そしてもちろん林先生をはじめ温かくご指導くださったコーチの皆様に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。



渉外 遠藤 良輔

 ついに最後の本部合宿になりました。自分が一回生のころは三回生で本部合宿に行く姿を想像もしていなかったので、自分がその立場でいくことが信じられなかった。実際に、合宿中でも最後の本部合宿ということを意識はしていなかった。
 さて、恒例の民宿感想ですが、今回は一回生と同じときのトキワ壮でした。まさかここに戻ってくるとは思ってもいなかった。ただ、一度は来た場所である。今更驚くことはなかった。おそらく去年の本部合宿を経験していた二回生からはここは牢獄かというぐらいギャップがあっただろう。それは一回生も同じかもしれない。なんといっても、今回は一、二、三回生が全員同じ部屋で泊まることになってたからだ。彼らから見たら先輩と一緒でさぞ嫌な思いをさせたかもしれない。それ以外で嫌なことというか、困ったことは風呂が入りにくかったことだろう。最大で三人ぐらいしか入れないので、高速で風呂をタライ回しにしないとみんなが風呂に入れなかったのだ。そのせいか、僕自身一度入れずに過ごしました。その時は衛生的に汚かったので、ここで謝罪をしたい。
 次に、合宿にいって技術に関してですが、最近は実践を意識した剛法、柔法を学ぼうとしていた。それは、やはり現実で使えないと意味がないではないか、という誰もが持つ疑問を解決したかったからである。その疑問は級拳士のころは形を覚えるだけで精一杯だったのでそういったことは意識もせずにやっていた。しかし、有段者になってから、技に対して実践的にかける必要があるという思いが強くなり、実践的な動きに興味がわいていた。
 そういった技術指導をしてくださるのか疑問であったが、本部の先生方はどの方も実践を意識して教えてくださりました。やはり、技をやるにしてもすぐにかける、剛法に関しては腰をしっかりと入れて蹴るなりしないといけないという当たり前のことであるが、意識しないと手を抜く部分ではある。乱捕りにかんしてもガチで蹴りを受けるのではなく、受け流すなど、まともにやっててはこっちの身が危険であると実感させられた。
 今回の本部合宿が最後になりましたが、後輩を見ていて今までやる気もなさそうだったやつが積極的に技に興味を持ってくれてる姿を見て安心した。そういったことが出来るのが本部の素晴らしいことであるが、それが自分でも出来るように技術の向上をしたい。


学連委員 菊谷 啓貴

 大学になって三回目の本部合宿でした。大学生では最後の本部合宿です。宿舎は二年前と同じで民宿「ときわ」。慶応さんと同じ宿舎でした。ちょっと夜うるさくしてしまっって申し訳なかったのですが、最終的に仲良くなれたので良かったです。
 今回の合宿は例年とは違い、初日に試験があり、結果的に術科の時間が一日多くなるという内容でした。今回は合宿において技の修練や、他大学との交流はもちろんですが、何より後輩に少林寺拳法の楽しさを知ってもらえたらと、そして大学にいいものを持ち帰られるようにと考えて修練しました。
 修練は、柔法では、研修でもやり、大学でも少しやった「崩し」→「落し」→「外し」をやりました。技をしっかりとかけるのも重要ですが、崩しの理法を学ぶのも自分の引き出しを増やすのに役立ちます。高段者の技は難しいですが、これを応用すれば、ほとんどの技はできると思われます。この間の練習日記にも書いたので勝手ながら内容は割愛させていただきます。
 剛法においては、常に実践を意識した修練を行いました。主に剛法から圧法への応用でしたが、学ぶことが非常に多かったです。少し内容を紹介しますと、圧法で攻めるのは基本的に「首」です。その利点は、三つあります。一つ目は、効果が大きいこと。二つ目は、首の急所はなかなか鍛えられないこと。三つ目は、首は動物が本能的に嫌がる場所で、ここに手をかけられると動きが止まる。というものでした。そしてこれを応用して運用法の修練をしました。僕は運用法があまり得意ではないですが、少し得意になったと思えました。これにさらに二年前に本部で教わった「先の先」のとりかたをプラスして、自分なりの結論を持ち帰ることができました。ただ習うだけではなく、自分の中に既にある考えと融合させることが難しく、重要だと思います。
 その他には、最強の「立無相構え」を習いました。掴まれても、上段、中段、下段に対する突き、蹴りが来ても、すべてに対応できるということを学びました。これはまだまだマスター出来ていないので本部からの宿題だと思って修練していきたいです。やはり本部はすごいです。何よりもあの人を惹きつける力はぜひ見につけたいと思いました。
 今回は合宿において、大学で「その日一日で学んだことを書く」という新しい試みをしました。新幹部に本部で学んだことをちゃんと持って帰ってほしかったので導入しました。重要なのは書くことそのものではなく、書かないといけないと意識することで、集中して練習に取り組むというところにあります。就活で学んだのですが、本当はメモなどはとらなくていいと思います。おそらくそんなメモは帰っても熱が冷めているので、ほとんど見ることはありません。そんな暇があるのなら体を動かせ、ということを開祖もおっしゃられていたそうです。それにメモしなければ残らないようなものなんて意味も深みもないと思います。少し自分の考えが入ってしまいましたが、すべてに通用することではないので注意してください。超重要事項や連絡事項があまりにも多い時はこの限りではないです。うまく使い分けてください。
 また今回は合宿中に新幹部の決定の連絡を二回生にしました。思い通りになった人も、ならなかった人もいると思います。合宿中にも言いましたが、先輩は先輩で、一拳士す。役職ではありません。後輩から見れば、先輩は全員先輩で、現に自分たちが一回生のころは、役職など関係なく、先輩方全員が光り輝く人たちばかりでした。僕もよく主将より前に出ようと出しゃばります。会議をまとめようとします。つまり全員が主将であり、リーダーであるといった気持を持って切磋琢磨していくことで部活は盛り上がると思います。
 最後に、リーダーが持たなければならない三つの「力」を紹介します。一つ目は「権力」。人を統率することです。権力をひっくり返せば「責任」になります。責任あっての権力です。二つ目は「能力」。この部活で言うと単純に「拳法」です。自分ができて初めて人はついてくるのです。三つ目は「人間力」です。これは一番欠くことのできない要素です。これらを鍛えるために日々努力しましょう。そのためには人とたくさん話しましょう。僕もまだまだですが。
 最終日にお酒は抜きで、みんなと話し合う機会を設けました。僕が今まで見てきたことを少しだけ熱く語りました。せっかく少林寺拳法部の面子が揃っていて、時間を割いて本部に来ているのに、関係ない話もちらほら聞こえてきました。冗談も大いに結構です。でもそれを上手くまとめられなければ、ただの美談や愚痴で終わってしまうことが多いです。一度自分を見直してみてはどうでしょう。偉そうなことを長々と述べましたが、僕に至らない点があれば、同回でも後輩でも遠慮せず言ってほしいと思います。
 以上のことを考えた一週間でした。冒頭に「最後」と書きましたが、「大学合宿」が最後という意味です。大好きなあいつらに会いにまた本部に行きたいと思います!


渉内 幸田 吏央

「三回生の幸田です。三月十日〜十四日まで本部合宿に行ってまいりました。
僕は今回で通算六度目の本部合宿です。今年の目標は本部の近くにあるといわれている一鶴本店に行くこと!これだけの回数本部にいったことがある僕ですが、一度も本部近くの一鶴に行ったことがありません。一度でいいから本部の近くにある一鶴本店に行きたいと思っているのですが、毎年毎年僕の周りの方々は練習熱心で、あまりこういうことには無関心のようです。あ〜、一度でいいからミナミにある支店ではなく本部の近くにある本店に行きたかったです。

さて、今年も本部でしたい一番の目標がかなえられなかったわけですが、二番目の目標である技術の習得は自分なりに満足のいく結果が得られたと思います。本部には全国から色々な先生が来てくださります。人の数だけ技があるので、その人その人違った考え方、技を見てきました。その中で今年も面白そうなもの、自分にあったものを取捨選択していこうと思います。また今回習ったものの中に圧法がありました。圧法についてはまだまだ自分は深い知識を持っていないので、その分野について知識を広げることができたのがこの合宿での技術修練の中で一番の成果だと思います。

最後に、今回泊まった宿舎というのはトキワでした。ここは僕にとって体育会少林寺拳法部というものに対しての考え方の始まりの地でした。それが三回生になってもう一度ここにくることになり、色々思い出し、また色々と考えさせられました。そういう意味では良い刺激になった本部合宿だと思います。」


統制 小西 優

今年で三回目の本部日記を書かせていただきます。毎回思うことですが合宿というのは何よりもまず朝が早い。なんだかんだで夜遅くまで話し合いをしたり、作業をしたりと時間を費やしてしまうことが多いため、眠りに就く時間は夜中…そして翌日の早朝になればアラームの嵐。こんな経験ができるのは合宿ならではの事なのかもしれないが。
僕自身が今回の本部合宿で感じたことは昨年、一昨年前と比べて落ち着いて行動できる時間が増えたこと、集中して技術修練に励むことができたことが挙げられる。もちろんこれは僕自身が感じたことであり三回生全体がそう思っているわけでもなく、ましてや部全体を対象にすれば逆の感覚を抱いている部員もいたはずである。
僕が本部合宿を通して経験した内容として技術修練に関して例を挙げると「一度学んだ級拳士技及び柔法の基本原理を復習した上で複数の掛け方を経験できたこと」「剛法では普段の練習とは異なり、乱捕りに近い法系の練習法や相対を前提とした連反攻の練習の中で後の先・対の先のタイミング合わせの難しさを経験できたこと」等があった。できているようでできていない…そんな感覚を本部合宿中によく感じた。
技術以外で感じたこととしては改めて鎮魂行の大切さを学んだ気がする。僕自身何かを始める前にある程度の精神集中や気持ちの切り替えを行う必要があると思っている。実際に少林寺拳法だけでなく普段の勉強やアルバイトや仕事においても他の考えが頭の中にあるとうまく集中できなかったりすることがよくある。本部で経験した鎮魂行は正直のところ時間は長めで一定の態勢を維持するのもなかなか至難の業であったが、気持ちを落ち着けるには十分な時間であったのかなと思っている。一つのことをするのにそれだけを考えて行動しろというのは正直無理がある。でもほかの感情をある程度抑えることはできるはずである。今回はそのことを実践するに当たり意味があったと考えている。
今回で本部合宿に参加するのはラストになるわけであるが悔いはない。参加することで見つけた課題を全て消化するのは不可能かもしれない…ただ、経験として記憶の中に残っている以上は自己満足で終わるようなことはないと思う。今後も参加していく後輩には自分なりの基準と全体としての基準の両方を知り、自分なりの消化法・吸収法を見つけ、実際に表現していってもらいたい。それは今回の合宿だけではなく今後の部活動の取り組みに対しても適用していって欲しい。最後に…本部合宿中の反省、うまく言葉で表現できずすみませんでした。


副務 高松 厚美

時が過ぎるのは早いもので、とうとう最後の本部日記です。最初の二日間は大阪で就職活動をしていたため、せっかくの最後の本部合宿に三日間しか参加できませんでした。就職活動で使っているICOCAを使って多度津を降りようとしたら使えず、駅員さんに多大な迷惑をかけました。ICOCAはJR西日本、多度津駅はJR四国でした。ごめんなさい。そしてプレハブのような民宿・トキワに着くと、おばちゃんが本部への行き方を丁寧に五回ほど繰り返し教えてくださいました。それだけ教えていただいたにも関わらず、本部に着くまで一時間くらいかかってしまいました。途中、畑を耕すおじいさんやラーメン屋さんに助けてもらいました。世の中やっぱり「人」だなぁと思いました。見た目が強烈な民宿・トキワは、二年前よりは過ごしやすく改善されていて良かったです。
さて、本題の合宿の話をしたいと思います。正直に言うと、一回生・二回生の時ほど新たな感動や発見はありませんでした。参加した日数が少なかった所為かもしれませんが。ただ、「何故少林寺拳法部に入部したのか」「少林寺拳法の魅力とは何か」をディスカッションで考える機会があり、初心を思い出すことができました。見失っていた目的・目標を思い出すことができたので、これを生かしてこれからの就職活動と部活動に励もうと思います。そして、最後の夜には新・幹部の発表がありました。「早く引退して幹部の仕事や部活から解放されたい」なんぞ考えていましたが、いざ、後輩に世代交代となるとなんだか寂しいです。引退までに後輩に伝えたいことを考えながら、悔いを残さないように練習していこうと思います。


統制 西島 奈甫

本部合宿も今回で三回目、とうとう最後の合宿となりました。本当に時が経つのは早いものだとつくづく思います。
今回の本部合宿では三段受験をする事になっており、これが本当に私にとって合宿を楽しく過ごすために超えなければならない山でした。就職活動等で練習期間がかなり限られていたため、試験合格後も三段の拳士としてはまだまだ未熟であるためもっと修練しなくてはならないと思っています。
本部合宿では今まで大きな感動やわくわく感をたくさん味わってきました。しかし今回は前ほどのわくわくする気持ちは得られませんでした。級拳士だった頃は小さなテクニックで技がかかれるようになったりなど、小さな補正で大きな変化を得る事が出来ていました。しかし有段者になったらやはり技術が必要とされるテクニックが増えたため、中々出来ず歯がゆさを感じてしまう事が多いです。やはり自分はまだまだ未熟だと強く感じます。
しかしやはり本部の先生方はすごいと合宿を通して再認識しました。特に柔法で相手の力を利用するやり方も非常に勉強になりました。
今回の合宿も他大学ともそれなりに仲良くなる事が出来、何よりも自分が少林寺拳法が好きである事を再確認できとても良かったと思っています。


会計 長谷部 琢磨

とうとう最後の本部合宿となりました。民宿は二年前と同じトキワ。僕としてはトキワだと本部から近いので練習後に自主練習の時間がとれるのでけっこう良かった。それは本部合宿で一番有意義な時間であると一回生のころから思っていた。今回で三回目となる本部合宿だが、自分は就職活動のため2日間しか参加しておらず、そのため学んだこともかなり少なかった。一回生の時と比べて本部の先生方がすばらしいのは相変わらずであったと思うが、その時より自分はさらに技が掛かりにくくなってしまっていたため、自分は全く技を掛かるという体験が出来ずにいた。圧法を除いては…。首周りの急所を攻められたがこれはかなりくすぐったい上に痛かった。最近は普通の技もいいがそれ以上に圧法や整法を学びたいと思っていたが、まだ二段のため本部の先生にも教えて頂く事は自粛していました。しかし今となっては後悔している。教えてもらえるかわからないが聞いておけば良かった。剛法では新しい突きの打ち方を教わったのだが、自分は文章でこれを表現できる能力がないため割愛させていただく。とにかく自分に言いたいことは力を抜け!だ。
この合宿では後輩が自主練習時間に積極的に技を聞きに行っていて、明らかに技の掛け方が変わった後輩もいて喜ばしかった。過去の自分もそんな感じでよく聞きにいき、合宿が終わるとそれができなくなるという現象に陥っていた。それがまた今ごろになってまた出来始めたりするので、後輩もたとえ今出来なくてもすぐにおもしろくない、絶対出来ないなどとは思わずに、常に練習を続けていってほしい。少林寺拳法の技はどれも奥が深いし、難しいため継続して練習することが大事である。この合宿で学んだことが技術だけでなく、みんないろいろあると思うがすぐに生かせなくてもいつかは実ると思うので、諦めずに自分を磨いていってほしいと思う。


主将 春名 卓典

今回の合宿が実質最後の本部合宿となった。一回生の時初めて本部合宿というものを経験してからもう三度目ということだ。一回生の本部合宿は二回生となる前の最後の行事ということもあり、先輩として恥じることのないような、持っている資格以上の技術習得を目指して練習に参加した。しかし先生方の予想を上回るような技術の高さと少林寺拳法の懐の深さを目の当たりにした。その結果、結局は毎日新たなことを習ってそれを消化していくことで精一杯であった気がする。二回生の本部合宿は、一回生の時の反省も含めて意気込んで合宿に参加したのだが、日程が少なかったということもあり物足りなさを残して合宿を終えることになった。それでも、得たものはあり自分の技術の幅が大きく広がった合宿であったと思う。この頃は日々、三回生になりもうすぐ幹部になるというプレッシャーのもと少林寺拳法をしていたのだが、あの時自分や同回生の成長の足りなさに直面し、もがき苦しんでなければ、きっと今の今まで自分は成長することはなかった。そして三回生として最後の本部合宿を経験したのであった。

今回の本部合宿で学んだこと。技術の話ならばいくらでもあるが、もっと大事なことを学んだ。それは「相手を変えたいのならば、まず自分が変わらなければならない」ということであった。きっかけは合宿メニューの中の幹部研修で、ある本部職員の方が指導方法についてされていたお話だ。例えばある人物に技をかけようとする。その相手の手がねばかったり、逆にかたすぎたり、普通の人とは違う関節の動きをしたりして技がかからない。そんな時、「こいつはかからない体質だからどうやってもムリだ」等と言って諦める。しかし、それは自分の動きばかりに囚われて相手の動き・体質に合わせて技をかけていないことが原因ということが多い。自分が変わること(技のかけ方、動きを変えること)で相手も変えることができる(相手に技がかかるようになる)というお話である。その瞬間ハッとした。人間関係も全く同じなのだ。例えば、人に注意を受けた時、うるさい等と文句や悪口を言ったり、反抗する。また、人を注意しても変化の兆しがない時、その人自身の資質や態度のせいにする。どちらも自分はまったく変わることをしないで相手にばかり変化を求めているのだ。相手に理解されないのは自分に原因があり、相手が変わってくれないのは自分の注意の仕方が間違っているからで、自分の態度・注意の仕方を改めるだけで相手の何かは必ず変わってくれるのだ。人との関係がうまくいかない時は、相手が悪いと否定し文句を言う前に努力をしなければならないのだ。当たり前のことと鼻で笑われるかもしれないが、これを実行できているものは意外といないもので、特に部員達には肝に銘じていてほしい。ここではあえて説明はしないけれど、合宿で話した具体例が良い例だと思う。「相手を変えたいのならば、まず自分が変わらなければならない」。言うのは簡単だが、本当に難しく、本当に大切なことだ。



主務 廣井 和貴

 まず、今回の本部合宿については、私にとっては、たったの一週間における出来事ではありませんでした。主務として、この一年の最大の仕事であるとともに、一年間ずっと意識してきた「手続き」だったと思います。また、昨年が昨年だったこともあり、合宿を含めて、この時期の手続きは絶対に失敗しない、そして、たとえミスがあっても、その状態のまま後輩に明け渡さないという気持ちは特に強かったです。主将の春名も同様のことを感じたでしょう。
 合宿の一番始めの手続きは春名がしたので、私にはよくわかりませんが、手続き後、年明けに本部から電話がありました。「B週は満杯です。C週にして下さい。」とのことでした。少々不本意なところはあったかもしれませんが、それでも決まった以上は早く知らせるようにしました。
 そうこうしているうちに、2月中旬になり、突然本部から「二段受験者のうち5人は受験できない」という知らせが来ました。しかも、春名の次に連絡が行ったのが、二回生だったのでかなり焦りました。事実関係を確認すべく本部に確認したところ、「期間が短く、受験できないものはできない」とのことでした。「昨年12月初旬の段階ではOKって言ってたじゃないか」という気持ちはありつつも、どうやって言い訳すればよいのかと思いました。自分としては、先に電話で確認したりなど、するべきことはしてるのに、みんなから見れば「主務は何してるんだ」としか取られないだろうと思うと、すごく嫌でした。また、どうお詫びすればよいかがわかりませんでした。正規練の初日に説明した主将・主務も、説明を受けた二回生5人も、このことに納得したわけではなかったと思いますが、物理的に無理である以上、受け入れざるを得なかったです。それでも、「受験できない」という連絡が、早くに来ていたのが唯一の救いだったと思います。
 こうして、人数が確定しない事態が私を襲うなど、じれったいこともありましたが、本部合宿に行く日がやって来ました。合宿中の手続きもありましたが、練習は楽しもうと思いました。柔法では「相手の倒れる方向を考える」、剛法では「反撃に圧法を使ってみる」など、普段の練習にはないことが多くて新鮮でした。しかしながら、それでもやはり、練習中も「ミスはないかな」と頭をよぎることが、実際には多かったです。
 合宿期間中の試験に、受験者が全員合格し、合宿がなんとか終わりましたが、終わった実感はあまりありませんでした。この「本部日記」も、かなり「主務目線」が強いものになりましたが、これが私の率直な本音です。本部合宿が無事に終わって、正直言って、今は安堵の気持ちでいっぱいです。


副将 細江 佐代子

 最後の本部合宿。幹部になってからの行事はその運営に重点を置きがちで、自分自身をしっかりと見つめられないこともありました。 しかし、最近私は「今変わらなくていつ変わるんだ」「自分の行動しだいでいくらでもこの先にチャンスはあるんだ」と思い、もう一度自分と向き合うことを大切にしています。変われない自分に嫌気が差すことってありますが、悩む時間はちょこっとにして、これからの可能性に向かっていきたい。そう思います。固執したりするのはつまらない事です。人に対して決め付けることも、そして何より自分に対して決め付けることはとってもつまらないことです。
 そして、この本部合宿は、自分自身の技術面に関してもう一度見つめ直す良いきっかけとなりました。そのきっかけとなった一つは三段を受験したことです。大学から少林寺拳法を始め、こんな私も三段を受験するにまでに至りました。合宿の中で知り合った三段の方に、「三段受験したならこっちの練習にも参加してみたら」と言われ、図々しくも三段の練習に三日目参加してみました。他大学の方との出会いがなければ、妙に真面目な自分は三段の練習に参加することはなかったでしょう。しかし、せっかくそう言って下さった方々に上辺だけで応えたくないという思いが私の中でありました。
 漂う空気の違いを感じ、気持ちの良い緊張感を持ちながら様々な方と組み、必死になって柔法・剛法の練習をしました。自分の未熟さを感じたと同時に、「私も三段らしい拳士になるんだ」と前向きな気持ちが湧き出てきました。三段になったことは決してゴールではないし、今の自分に私自身が納得していません。だったらどうするか。練習して自分で変えていけばいいのです。三段となり、実際そうした人たちと練習したことにより得られたものは非常に大きかったです。 
 さて、技術面に関しては小手抜きと十字小手が少し変わりました。今まで自分でこんなんじゃないと思っていた技だけに、小さいながらもこの変化を持ち帰れることは嬉しいです。  本部合宿は、技術や自分を変えるきかっけやチャンスのある合宿なのではないでしょうか。「変わる」ってことに遅いということも、焦ることも決してありません。ただ、自分と向き合うことから逃げず、そして思った時に一歩踏み出せる自分でありたい。私はそう思います。


渉内 堀本 謙太

私にとって今回の本部合宿は三回目でした。そして、三回目の本部合宿に参加して思ったことは「やはり本部職員は凄い。」と思いました。
一日目、私にとっては移動と三段試験でした。最後の最後まで学科の見直しをしましたし、実技面も学科後の空き時間を利用して詰めの練習をしました。と、やるべきことをやった上での受験でしたが、やはり不安要素がたくさんありました。といっても、実技審査では落ち着いて受験することができましたし、練習の成果も出せたのではないかと思っています。
二日後以降、冒頭でも述べさせていただいたように、本部合宿に三回参加しても、本部職員の凄さには驚かされました。私は二段の部の練習に参加していたのですが、剛法では法形を初めに行い、その後は応用と運用法がメインでした。自信と勇気と行動力を持つ人間になるためにも実戦力は必要であると思います。ですから、基礎を学び、応用を加えていくという練習方法は、段が上がる程必要であると思います。剛法の運用法で本部職員の動きを見る機会があったのですが、やはり驚かされました。とにかく少林寺拳法ならではの連攻撃が凄まじいものでした。これからの練習で私もその様な動きができるよう研究していきたいと思います。
柔法もとても奥が深いもので、やはりもって帰るべき技術は盛りだくさんでした。級拳士技であっても私自身が学ぶべきことは何回本部に行ってもあります。もしかしたら少林寺拳法の技術の醍醐味は、全ての技がとてつもなく奥深いことにあるのではないかと思います。 今回、宿の関係上、一二三回生が同じ部屋でした。一二回生にはもしかしたら辛かったかもしれませんが、私は部屋が全学年同じであったことで、部全体の絆が少し強くなったのではないかと思います。 私にとっては学生生活最後の本部合宿となってしまいましたが、いつの日かまた、本部へ行こうと思っています。


渉外 三浦 佐織

三年目の本部合宿。思えば時が経つのはとても早いもので、一番有意義な合宿である本部合宿も最後を迎えてしまった。今回はともかく三段になると言う目標と同時に、基礎から技を学ぶことを目的に参加しようと思った。今までずっと言われ続けてきたことだけど、最近ようやく理解できるようになったことが、「崩し」の重要性である。どの技でも「相手の体勢を崩すこと。」このことを意識するだけで、大分技のかけ方が変わってくるように思う。そして、体勢を崩すときには支点だけを見ず、相手の本体を崩すようにすることも崩しをマスターする上で常に意識しなければいけないことだと、再確認した。実践していくにはもっと修練を積む必要があるが、ただ教えてもらって分かっていただけのものが、理解に繋がったことは三年間の積み重ねによる進歩かなと思い、少し嬉しく思う。
合宿では、4日間本部のトイレ掃除を同志社は割り振られえたが、最後にトイレ掃除を任されたのは感慨深いものがあった。便器を洗ったり水を流したりしていると、今までのことが走馬灯のように思い出される気がした。少しでもお世話になった御礼ができたらいいなと思う。
いっぱいお世話になった本部を後にして、これからもがんばっていこうと思った本部合宿だった。


副将 村上 友規

失礼します。最後の本部日記を書かせていただきます。
●合宿の目標「交流」●
自分は合宿や行事の際はいつも目標を立てて望む。それをすることにより一つの合宿でもより濃く意味ある時間を過ごせるからだ。そして、今回の自分の立てた目標は「交流」である。1・2回生の時は技術のみに走ったたが、最後となった合宿だし技術は前もって聞きたい事をまとめておいて自主練の時間に聞き、それ以外は技術を通じて人と話す事を心がけた。その際、「人の話をよく聞く、分かりやすく伝える」を心がけた。色々な人に話しかけ、また色々な人が話しかけてきてくれたので交流の面では上手くいったと思われる。関西圏だけでなく関東や九州地方の人ともよく喋った。
●合宿の目標「技術」●
かといって技術を疎かにはしない。体内部の力をどうすれば上手く使えるのか?調息法とは?威力のある突きは?法形を実戦に生かすには?相手とのつながりとは?など様々なことを聞いて回った。普通の拳士なら「小手投をお願いします」とか「巻落が掛かりません」とかの質問が多いらしく、先生から見たら自分の質問は変だったかもしれないが、自分が聞きたいことを正確に表現したら快く聞いてもらえた。それらについて一定の答えは得たが、ここに書くと長くなるので自分の心に記しておく。
●民宿●
トキワ荘だった。前と同じ。便所が2つしかないのをKO大学さんと共同で使う。3日目くらいで1つドアが開かなくなる。ホコリが多く空気が悪い。壁には宗親子の肖像画。おばちゃんと仲悪くなるも次の日仲直り。すると同志社は非常にマナーが良いと褒められた。ありがとうございます過去に宿泊された先輩方…。夜は同回生とam3:30まで話した。なんだろう、非常に楽しかった。
●海岸●
初日は試験を受けないもの以外は宿舎で残った。そのメンバーでトランプをすることに。1回〜3回生数名、滅多にない回生間の交流の場を自分も楽しんだ、今思えば幹部になってこれまで1・2回生には正規練の際に自分が勝手に押し付けた拳立だの基本練だのでしか接しておらず、楽しく何かをするなんてなかったように思う故、そんな自分を反省しながら。その後せっかく海岸があるので筋トレをしようと思い幸田を連れて海岸拳立を行った。海の岩は凸凹してて痛い、それゆえ自分も興奮する、そんな自分がイタい。KOが白い目で見てくるけど別にいい、海岸を照らす夕日を全身に浴びて二人の拳士は最後の合宿に期待を膨らませていた。
●最後に●
1回生の頃は本部合宿といえば「時間がない、しんどい」とか言った前評判を聞いていた(実際そうではなかったが)。しかし、自分が体験した3回の本部合宿はどれも素晴らしいもので、本部の先生方の技術に感動し、部員同士の交流をもてる絶好の機会だ。いい意味で「楽しい」本部合宿。恥ずかしながら、この時期になって技術だけでない少林寺拳法に近づけた気がした。
自分はもう同志社の拳士として仁王門をくぐることは無い。残された部員には本当にこの本部合宿の1日1日を大事にして欲しいです。 では、失礼します。